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Jリーグ J1 プリビュ 8月11日 14:00 コンサドーレ札幌 vs. ベガルタ仙台 (札幌)

ここまで20試合中、得点わずか13点、失点なんと47点の最下位チームが首位チームを倒すなどということは想定外。ただベガルタの首位奪回は、サンフレッチェがエスパルスに星を落としたため。実際、首位ベガルタはここ5試合でわずか1勝と、後半戦になって大きく失速している。引き分け試合を勝ちに結びつけるチームが結局リーグ制覇を果たすことになる。現在、リーグの上半分に属するチームは、勝ち点を積み上げ切れずに大きな集団を形成している。抜け出すためには一貫性が必須だ。
私見だが、今季のキープレーヤーは、名実共に成長著しいMF松下だ。仙台の首位は、松下のフリーキックと献身的な働きによるところが大きい。
ベガルタ仙台の勝利!

なでしこはエコノミークラス?これがニュース?日本アスリート批判にストップ – この「記事」をつぶせ!

U23男子日本代表はビジネスクラスで悠々とフランスへ。一方、なでしこジャパンは、他の多くのアスリートたちと一緒に、エコノミークラスでの窮屈移動。

英国の新聞やウェブサイトは、沢穂希選手が語ったとされる以下の無実なコメントに乗じて、なでしこ達の「憤り」をこぞって掲載している。

「あべこべになるはずじゃないんですか。年齢からいったって、私たちがシニアなんだし」、女子ワールドカップのヒロイン沢穂希(33才)は、月曜日、パリに到着した後で日本のマスコミに、微笑みながら、こう語った。

こんなコメントを記事にしたいマスコミに対し、沢選手は、確かに微笑みを浮かべてそう語ったのだが、続けて放ったこの発言には彼女の気持ちがこもっていた(勝利すればボーナスの対象となり、帰途の旅は確かにアップグレードになる)、

「ワールドカップでは、行きはエコノミーでしたが、優勝したことでビジネスクラスにグレードアップしました。今回も結果を出して、同じような待遇を受けたいですね。」

事実 — エコノミークラスで移動したのはなでしこ女子だけではなく、ファーストクラスの優待を受けたのもU23男子サッカー代表だけではなかった。

事実 — チャーター機ではなかったため、アスリートたちは機内のあちこちにいた。ビジネスクラスやファーストクラスは当然座席数に限りがあるし、別の便を利用しない限り、全員に快適な席が行き渡ることなどあり得ない。確かに頭の痛い話ではある。

公式に苦情が申し立てられたとか、誰かが「憤って」いたのが実際に確認された上での報道ではない。

また、サッカーだけを取り上げるべきではない。さもないと、英国記者たちに迎合してしまう。U23の男子アスリートたちがより金を稼ぎ出している事実をはじめ、中にはプロもおり、身体の大きさの違いもあり、はるかにフィジカルなゲームを強いられることなど、様々な側面が考慮されているのだ。

仮に、性差別とか、二流市民として冷遇されていた日本の女性史が取り上げられるなら、この記事の滑稽なまでの絶望的要素が浮き彫りにされるわけで、そうなれば、この「憤り」の記事には事実などいくばくもないことが周知のこととなる。どのアスリートがエコノミー席で、誰がビジネスクラスやファーストクラスだったかが記載されたリストを入手できるなら、「機内前部」に女性たちは何人もいただろうし、「後部」にいた男性も少なからずいたはずだ。だが、そんなことをしたら記事が面白くなくなってしまう。

この持論を裏付けるため、私は、英国のプレス向けサイトを検索し、幾つものヒットを得た後で、ある日本人の友人に頼んで日本語でこの記事を検索してもらった。すると、たった一つだけ、報知新聞がヒットしたそうだ。「デマ新聞」として愛読者の多い新聞である!ここでペンを休めてもいいだろうか。

あなたはどう思うだろうか?

アラン・ギブソン

JSoccer マガジン編集者

Jリーグ J1 プリビュ 7月14日

18:00 清水エスパルス vs. 柏レイソル (アウトソーシングスタジアム)

エスパルス、J1通算1000ゴール達成なるか!?

チーム状況

清水エスパルス — 負傷者報告なし。

柏レイソル — MF大谷が出場停止。負傷者はDF藤田と控えGKの二人。

直接対決

過去10年間の両チームの対戦成績は、レイソルの8勝7敗3分け。エスパルスは、2008年8月以降勝利なし。

ゲーム・プレビュー

J1通算1000ゴールにあと1点と迫って久しい清水エスパルス(点25勝7敗6分4差+2)だが、ここ5試合の成績も、スコアレスドローが3試合、得点わずかに1とくすぶっている。絶望的にストライカーを必要としているチームは、新外人獲得資金の調達のため、アレックスの放出を考慮している。またフランサのJ2への期限付き移籍の話も持ち上がっている。J1最強のディフェンス力を誇る清水がトップを狙うには、得点力アップが不可欠だ。

7戦連続無敗記録を名古屋グランパスに止められた柏レイソル(点27勝8敗6分3差+6)。RB酒井の抜けた穴は確かに大きいが、選手層の厚さで何とか凌げるはずだ。しかし今夜の試合は、清水エスパルスの勝利!

 

 

19:00 大宮アルディージャ vs. ヴィッセル神戸 (NACK5スタジアム大宮)

アウェイ戦大勝で、ヴィッセル、完全復調を遂げるか?

チーム状況

大宮アルディージャ — MF橋本、内耳炎のため、1ヶ月ほど欠場。

ヴィッセル神戸 — 先週欠場のMF/FW森岡、今夜は出場の見込み。DF岩波はU19代表チームに帯同中。負傷中のFW田代は復帰可能だが、まだ体調不完全。

直接対決

過去7年間J1およびナビスコ杯での対戦成績は、アルディージャの6勝5敗5分け。

ゲーム・プレビュー

降格争いに関わらないシーズンを期待したサポーターの願いとは裏腹に、大宮アルディージャ(点19勝5敗8分4差-13)は、節を重ねるごとに順位を下げている。この試合後、東がオリンピックチームに帯同してしまうのも痛い。だが、ベルデニック監督のもと、チームは後半戦での巻き返しを図る。

一方のヴィッセル神戸(点24勝8敗9分0差-2)は、西野新監督采配に着実に順応している。前節のベガルタ戦も、結果こそ伴わなかったが、内容は確かに良くなってきている。チームとしてまとまりがあるヴィッセルが、先週のようなゲームを展開できれば、アルディージャの苦戦は必至だ。ヴィッセル神戸の勝利!

 

 

19:00 アルビレックス新潟 vs. 浦和レッズ (東北電力ビッグスワンスタジアム)

レッズ、さらに上へ進撃!

チーム状況

アルビレックス新潟 — DF金珍洙はひざの故障で2ヶ月間の離脱。DF村上は出場停止。DF中村は足の骨折のため3ヶ月の欠場。MF内田、今季の出場は絶望的。

浦和レッズ — MF山田の今季出場は絶望的。FWエスクデロとポポの出場は見込み薄。

直接対決

過去10年間の対戦成績は、レッズの15勝2敗3分け。新潟の2勝は2005年と2006年。

ゲーム・プレビュー

アルビレックス新潟(点16勝4敗9分4差-11)は、前節、最下位チームに1-0で辛勝したが、負傷者が多く、降格ゾーンの深みから抜けられない。対する浦和レッズ(点30勝8敗3分6差+6)は目下連勝中。ベガルタ、サンフレッチェの隙を窺っている。得点力不足に悩み、ストライカーを切望しているレッズだが、オリンピック代表から外れた鬱憤を晴らすべく、原口元気が前節同様ゴールを決めて存在感を見せつけるか。浦和レッズの勝利!

 

 

19:00 ジュビロ磐田 vs. コンサドーレ札幌 (ヤマハスタジアム)

ジュビロ、この試合に勝たずして。

チーム状況

ジュビロ磐田 — MFベク・ソンドンは韓国オリンピックチームに帯同中。MF松岡は膝靭帯の損傷で6ヶ月の離脱。GK川口の今季出場はなし。FW金園も9月まで欠場。

コンサドーレ札幌 — MF河井は1ヶ月の欠場。MF高木は2ヶ月の欠場。FM前田は少なくとも8月末まで出場の見込みなし。

直接対決

これまで3試合。2008年は1勝ずつを分け合い、今季は開幕戦でスコアレスドロー。

ゲーム・プレビュー

前節のサンフレッチェ戦を含め、ここ5試合で3敗のジュビロ磐田(点27勝8敗6分3差+9)は6位に後退。得点こそ34と強力だが、失点も多いジュビロが上位に留まるためには得失点差を大きくしたいところ。今夜の試合は、大量得点の完封勝ちを狙いたい。

一方のコンサドーレ札幌(点4勝1敗15分1差-28)は、1勝1分けの勝ち点4と、J1歴代チーム中最悪の成績。得点力のあるジュビロを相手に、今夜も失点献上は必至。シュビロ磐田の勝利!

 

 

19:00 名古屋グランパス vs. ベガルタ仙台 (豊田スタジアム)

名古屋、仙台に立ちはだかるか!

チーム状況

名古屋グランパス — DF/DMダニルソンは出場停止。FW玉田は手術後2ヶ月間の欠場。MF磯村、中村の二人は少なくとも2ヶ月間の欠場。

ベガルタ仙台 — DF鎌田は出場停止。DF上本は出場まであと1、2週間か。

直接対決

両チームの対戦成績は、2003年以降グランパスの4勝2敗2分け。

ゲーム・プレビュー

前節レイソルの無敗記録を阻止した名古屋グランパス(点28勝8敗5分4差+2)は無敗中、5位に浮上している。オリンピック代表に選出された永井が好調で、ゴールを量産(また、ケネディのゴールなどをアシスト)している。玉田が欠場中の今、オリンピック前の永井最後の出場試合を、グランパスはものにしたい。

今季まだ2敗のベガルタ仙台(点35勝10敗2分5差+19)は現在、優勝した昨年度の同時期とほぼ同じような成績。もっとも前節のヴィッセル戦が示すように、ひと頃の首位チームにふさわしい支配率や内容は影を潜めている。ただ、結果が付いてきているのは、ベガルタが勝ち組だからなのか、今後後退し始めるのか、私は後者と見るが。名古屋グランパスの勝利!

 

 

19:00 ガンバ大阪 vs. 横浜Fマリノス (万博記念競技場)

ガンバ、待ち望まれる復活へ!

チーム状況

ガンバ大阪 — FWレアンドロは出場資格会得。MF佐々木は練習に復帰。FW川西も足の骨折から回復、練習に復帰。DF加地、エドゥワルドはともに欠場。DF中沢は練習中に骨折、2ヶ月の欠場。FWパウリーニョは大腿部の損傷。

横浜Fマリノス — MF中村はもう2週間の欠場か?DFドゥトラ、FWマルキーニョスは現在治療中。DF天野は今季離脱。MF小倉の復帰はあと間近。

直接対決

過去10年間の両チームの対戦成績は、マリノスの10勝8敗7分け。

ゲーム・プレビュー

苦境に喘ぐガンバ大阪(点13勝3敗10分4差-12)。内容は決して悪くはないが、結果が伴わない現状は、自信喪失と決定力不足が原因だ。何処かで、しかもすぐに歯止めをかけなければ、来季のJ2行きは避けられない。レアンドロの加入は前線を活性化するだろうか。負傷者の多いディフェンス陣には、更なる追い討ちをかけるように、前節、GK木村とCB中沢二人が足を骨折した。攻撃陣にも防御陣にも早急な改革が必要だ。

一方の横浜Fマリノス(点24勝5敗3分9差+3)は、得点力こそ絶不調ガンバにも9点差をつけられてはいるが、開幕当初しばらく続いた不調状態からは脱している。この試合も最近の試合で続けているような内容で戦えば、ガンバを寄せ付けないだろうが、もう後がないガンバは死にもの狂いの戦いを挑んでくるはずだ。ガンバ大阪の勝利と見る!

 

 

19:00 セレッソ大阪 vs. 鹿島アントラーズ (長居スタジアム)

セレッソ、さらなる混迷状態へ?

チーム状況

セレッソ大阪 — MFキム・ボギョンはすでに韓国代表に帯同中。

鹿島アントラーズ — 負傷者の報告なし。

直接対決

過去10年間の両チームの対戦成績は、セレッソの7勝5敗3分け。

ゲーム・プレビュー

香川、乾、家長を次々に失い、今、清武抜きの戦いに順応する必要のあるセレッソ大阪(点19勝5敗8分4差-4)は、キム・ボギョン、扇原、柿谷をも近く失うことになりそうだ。オリンピック期間中、扇原と山口を欠くセレッソは、この試合の勝利で、ほころびを繋ぎ留めておきたい。

前節、大宮に辛勝した鹿島アントラーズ(点22勝6敗7分4差+3)もなかなか連勝できないチームの一つだ。オリンピック代表から外され落胆の大迫は、プレーヤーとしての誇りを賭け、その怒りを試合にぶつけて自己を証明したい。セレッソには要注意人物だ。試合は引き分けか!

 

 

19:00 サンフレッチェ広島 vs. 川崎フロンターレ (広島ビッグアーチ)

サンフレッチェ、首位浮上!

チーム状況

サンフレッチェ広島 — 前節負傷のミキッチについてはまだ詳細不明。DFファン・ソッコはすでに韓国オリンピックチームに帯同中。

川崎フロンターレ — DFジェシと小宮山の二人は練習には復帰しているが、この試合の出場はない。DF伊藤の欠場は2週間ほど。MF登里は8月まで出場の見込みなし。

直接対決

フロンターレの12勝2敗8分け。今季はサンフレッチェがアウェイ戦を制している。

ゲーム・プレビュー

ジュビロを、2、3位直接対決で退けたサンフレッチェ広島(点33勝14敗4分3差+16)は、ヴィッセル相手にもたついていた首位ベガルタに肉薄。このまま勢いに乗って一気に頂上までせり上がりたいところだ。後半戦を迎えるにあたり、サンフレッチェを首位チームに推す声は多い。現在得点王の佐藤寿人は言うまでもなく、どこからでも得点できるのが広島の強みだ。ゴールに期待。

一方の川崎フロンターレ(点27勝8敗6分3差0)は、浮き沈みはあったが、風間監督のもとチームは改善されつつある。失点の多さはディフェンス陣の負傷者の多さと無関係ではないだろうが、失点を減らせれば、上位に留まる力はある。ただこの試合は、サンフレッチェ広島の勝利だろう!

 

 

19:00 サガン鳥栖 vs. FC東京 (ベストアメニティスタジアム)

引き分け試合?!

チーム状況

サガン鳥栖 — DF木谷は9月まで欠場。MF高橋は復調間近だが、この試合はまだ無理。

FC東京 – DFチャン・ヒョンスはすでに韓国オリンピックチームに帯同中。MF羽生は少なくとも1ヶ月の欠場。MF大竹は今季絶望。DF太田は復帰まで1ヶ月、DF平松はアキレス腱の損傷で長期離脱。MF梶山は8月初旬まで欠場。MF石川の出場の見込みは薄い。

直接対決

これまでにJ2で2試合、J1では今季前半の1試合でFC東京の勝利。通算は東京の2勝1分け。

ゲーム・プレビュー

ホームで好成績のサガン鳥栖(点24勝6敗5分6差+3)は、その実績を後ろ盾にFC東京を迎え撃つ。もっとも前節の雨中でのレッズ戦では、ものの30分も経たない間に4失点を喫してしまったが、そこから4-3まで盛り返した粘りは見事だった。その勢いでこの試合に臨みたい。

一方、ガンバ大阪との打ち合いを制したFC東京(点28勝9敗7分1差+1)は5位に浮上。負傷者多発の中、不調にもかかわらず勝ち取ったこの1勝は大きいが、この試合を最後にオリンピック代表が抜けるFC東京の今後に期待する者は多くはない。無論、勝ちを狙ってくるだろうが、試合は引き分けか!

 

Jリーグ J1 総括 7月7日

コンサドーレ札幌0-1 アルビレックス新潟  7,673人
清水エスパルス 0-0 川崎フロンターレ  14,133人
浦和レッズ 4-3 サガン鳥栖  30,047人
鹿島アントラーズ 1-0 大宮アルディージャ  12,787人
FC東京 3-2 ガンバ大阪  24,633人
横浜Fマリノス 1-1 セレッソ大阪  9,751人
サンフレッチェ広島 2-0 ジュビロ磐田  12,769人
ヴィッセル神戸 0-1 ベガルタ仙台  15,062人
柏レイソル 1-2 名古屋グランパス  25,459人

ホームの神戸が圧倒的な支配率と倍以上のシュートを放ったこの試合、アウェイのベガルタに勝利をもたらしたのは赤嶺の決定打だった。首位ベガルタにとっては、大きな意味を持つ勝ち点3となった。チームの立て直しに取り組む西野監督も、結果はともかく内容には満足のいく試合だったと言える。シュート数19、コーナーキック数7は、ヴィッセルのポテンシャルを窺わせる。ただ、上位進出を狙うのであれば、チーム全体がもっとアグレッシブになる必要がある。一方、アウェイでの洗礼を受けながらも勝ち点3をもぎ取ってしまう支配運びはさすがだが、ベガルタ、はたして後どれだけ首位を堅持できるのか?

最下位コンサドーレ札幌は、これまた降格圏内で喘ぐアルビレックス新潟の田中の1得点に沈んだ。勝ち点3の新潟はこの結果、味の素スタジアムでのFC東京との熱戦を落としたガンバ大阪と順位を入れ替えた。ガンバ大阪は、例のごとく試合を支配し、後半にも怒涛の攻撃を仕掛けたが、チャンスを決め切れず、折り返しの17試合終了時点で、17位に後退した。

Jリーグ通算1000得点まであと1点の清水エスパルスはまたしてもスコアレスドロー。対する川崎フロンターレも決定力不足に悩む。しかし、埼玉スタジアムでは逆にゴールラッシュ。激しい雨の中、圧倒的な攻撃を仕掛けたのはホームのレッズ。前半を1-0で折り返した後半早々、5分間で3点を連取、勝利は確実と思われた。しかし、後半22分からの5分間はサガン鳥栖がお返しに3得点。スリリングな試合は後20分を残して4-3の打ち合いとなったが、結局、サガンは同点弾を決め切れず、浦和レッズが前半戦を勝ち点30で終えることになる。

アントラーズとアルディージャの対戦は、鹿島23本のシュートを放つも、後半あと15分を残すところまで決め切れず、西の得点で辛うじて鹿島が勝利した。鹿島は降格圏からやや距離のある位置まで浮上した。

横浜Fマリノスは、CKのこぼれ球を富沢がゴールの天井に蹴り上げて先制するが、セレッソ大阪も後半35分、柿谷のボレーシュートで同点に追い付く。セレッソ大阪の回転扉からは、すでに香川、乾、家長、清武が通り抜けているが、柿谷、そして扇原のチーム残留期間はあとどれくらいあるのだろうか?

2、3位の直接対決は、サンフレッチェが巧者ジュビロを下した。サンフレッチェは、中島(後31分)とロスタイムの森崎造のゴールで、首位仙台に勝ち点2差の2位で前半を折り返した。

名古屋グランパスは、永井の好走にケネディの巧妙なシュートを絡めて先制点を奪うと、後半18分にはゴールに向かうCKから相手のオウンゴールを誘い、レイソルを制した。柏の連続無敗記録は7試合で止まり、前節の4位から順位を三つ落とした。

今日で前半戦を終了したJ1は、首位ベガルタを勝ち点2の僅差でサンフレッチェが追い、3位レッズから12位のヴィッセルまでが2勝の勝ち点差の間にひしめく展開で折り返した。最下位はコンサドーレの独走状態。ガンバの泥沼化が進む一方で、アルビレックスは若干浮かび上がっている。

Jリーグ J1 プリビュ 7月7日 19:00 サンフレッチェ広島 vs. ジュビロ磐田 (広島ビッグアーチ)

サンフレッチェ広島 — MF山岸は7月2日現在、病気のため出場の可能性は低い。
ジュビロ磐田 — MFベク・ソンドンは韓国オリンピックチームに帯同中。GK川口の今季出場はなし。FW金園も9月まで欠場。

過去10年間の両チームの対戦成績は、ジュビロの9勝5敗3分け。すべてJ1またはナビスコ杯。今季はすでにナビスコ杯でジュビロが僅差で勝利している。

先週、FC東京に勝利して、連敗を2で止めたジュビロ磐田(点27勝8敗5分3差+11)の、今日の対戦相手、2位広島との勝ち点の差は3。2-0の勝利で2位・3位が入れ替わるが、この試合を落とすと勝ち点差は6に広がる。韓国オリンピックチームに帯同中のベク・ソンドンの抜けた穴は大きい。今回のオリンピック参加選手の中ではおそらく最大の穴だ。ただ、得点34のジュビロ攻撃陣は現在J1最強。ベクの不在を感じさせないような試合を期待したい。
一方、サンフレッチェ広島(点30勝9敗4分3差+14)はここ2試合続けて首位の座につくチャンスを逃している。仙台の2試合連続引き分けに、サンフレッチェもお付き合いしたためだが、それまで続けていた連勝時の調子を取り戻したい。神戸が仙台を倒し、広島が磐田を下せば、サンフレッチェは首位に浮上する。サンフレッチェ広島の勝利!

Jリーグ J1 プリビュ 7月7日 19:00 ヴィッセル神戸 vs. ベガルタ仙台 (ホームズスタジアム神戸

ヴィッセル神戸 — MF/FW小川が肺挫傷の検査中、欠場の見込み。DF岩波はU19代表チームに帯同中。MF橋本は復帰可能。負傷中のFW田代は復帰の見込み。
ベガルタ仙台 — DF上本の出場はあと2週間後の見込み。

ベガルタの4勝3敗4分け。4試合は2006年のJ2時代。

ベガルタ仙台(点32勝9敗2分5差+18)は、ここ4試合で勝利は最下位コンサドーレ戦のみと、首位のプレッシャーに苦しんでいる。幸い、他の上位チームもお付き合いで星を落としているため、首位にはいるが、3位から11位までの勝ち点差はわずかに3と、幅が狭まってきている。ホームのヴィッセル神戸もそのひとつ。ただベガルタは、勝ち星にこそ恵まれていないが、チームの状態は良い。ブラジル人ストライカーのウィルソンも期待通りの働きをしており、ヴィッセルも手を焼きそうだ。
上位3チームに勝ち点わずか3の差で迫るチームのひとつ、ヴィッセル神戸(点24勝8敗8分0差-1)は、西野朗新監督のもと、この3試合を連勝している。好ウィング小川の肺挫傷による欠場は痛い。ただ、チーム自体にはまとまりが出て、プレーの質も高まっている。ジュビロ、フロンターレをどちらもアウェイで下しており、上位チームにひるむ様子はない。ヴィッセル神戸の勝利!

Jリーグ J1 プリビュ 7月7日 19:00 横浜Fマリノス vs. セレッソ大阪 (三ツ沢競技場)

横浜Fマリノス — MF中村はもう2週間の欠場。DF天野は今季離脱。MF小倉はあと2週間で出場の見込み。
セレッソ大阪 — MF清武はニュルンベルクFCに移籍。MFキム・ボギョンはすでに各国代表に帯同中。

泥沼のスタートから復活の兆しを見せていた横浜Fマリノス(点23勝5敗3分8差+3)、5戦無敗は無視できない成績だが、得点力が決定的に不足している。救いは、わずか13の失点という、サガン鳥栖に並ぶリーグ一のディフェンス力にある。ただ、降格ゾーンから安全圏に逃れるには、得点力アップが絶対条件となる。

一方、調子の浮き沈みの大きさではリーグ・トップのセレッソ大阪(点18勝5敗8分3差-4)は現在、負けや引き分けという面で「安定」してしまっている。清武の移籍、キム・ボギョンの韓国代表帯同(その後のヨーロッパへの移籍の可能性大)、加えて来週に迫った扇原、山口のオンピック出場による離脱を考えると、セレッソには今日の1勝が必要になる。どう贔屓目に見ても、今後は苦しい戦いが予想されるからである。この試合を落とすようなら、降格争いに巻き込まれるだろう。勝負は引き分けか!

Jリーグ J1 プリビュ 7月7日 19:00 柏レイソル vs. 名古屋グランパス – 国立競技場

柏レイソル — DF酒井は西ドイツに移籍。負傷者は控えのGK二人だけ。
名古屋グランパス — FW玉田は手術後2ヶ月間の欠場。MF磯村、中村の二人は少なくとも2ヶ月間の欠場。ひざの手術を受けたGK楢崎はこの試合には出場の見込み。

過去10年間の両チームの対戦成績は、グランパスの6勝4敗4分け。ただ、グランパスは2009年のアウェイ戦以降、勝利なし。

乱調の名古屋グランパスを迎え撃つ柏レイソル(点27勝8敗5分3差+7)は、鹿島アントラーズとの引き分け試合をはさんで現在連勝中、4位に浮上している。出だしこそ躓いたが、順調に勝ち点を積み上げての首位3差は、他のチームにとっては要注意だ。先週末はガンバを相手に10本のシュートで6点を叩きだしており、まさに効率的だ。
ここ2試合を引き分け、セレッソには敗北を喫している名古屋グランパス(点25勝7敗5分4差+1)は、勝ち点こそレイソルに2点差しかないが、今ひとつ調子が上がらない。今節を最後に、先月多くの得点を叩きだしたFW永井が、ロンドン・オリンピック出場のためチームを離れる。大きな穴があくことになるが、この試合の勝利で勝ち癖を取り戻したいところだ。
試合は、引き分けか!

Jリーグ J1 プリビュ 7月7日 18:30 FC東京 vs. ガンバ大阪 (味の素スタジアム)

FC東京 — MF羽生は少なくとも1ヶ月の欠場。MF大竹は今季絶望。DF太田は復帰まで1ヶ月、DF平松はアキレス腱の損傷で長期離脱。MF梶山は8月初旬まで欠場。MF石川の出場の見込みは薄い。
ガンバ大阪 — FWレアンドロは出場資格得とく。MF佐々木は練習に復帰。FW川西も足の骨折から回復、練習に復帰。DF加地、エドゥワルドはともに7月4日の時点で練習に参加しておらず、出場までには3ヶ月ほどかかる見込み。

3年間、ガンバに勝利のない東京だが、過去10年間の対戦成績では6勝6敗4分けと互角。

ここ5試合は、両チームともに1勝3敗1分けの成績。負傷者も共に多数。ただ、レアンドロの再加入は、ガンバにとってはカンフル剤だ。首位まで勝ち点7の差につけているFC東京(点25勝8敗7分1差0)だが、15位にも勝ち点7の差しかない。16試合で18得点の攻撃力は、下位チームと比べても見劣りがする。上位3チームの一角に食い込むためにも、得点力のアップが必須。
一方、上位3位を目指して今季をスタートしたはずのガンバ大阪(点13勝3敗9分4差-11)も、降格ゾーン脱出にまずは一息。首脳陣(西野監督辞任後)による多くの「改善策」に、チーム再建ははかどらない。自信回復のためにも、今夜の1勝は重要だ。パターン化している終了間際の失点は禁物。ガンバ大阪の勝利!

Jリーグ J1 プリビュ 7月7日 18:30 鹿島アントラーズ vs. 大宮アルディージャ (鹿島スタジアム)

鹿島アントラーズ — DF岩政は出場停止。
大宮アルディージャ — MF橋本、内耳炎のため、1ヶ月ほど欠場。

2005年以降、鹿島アントラーズの10勝1敗4分け。大宮の唯一の勝利は2009年のホームゲーム。

開幕からのどん底のチーム状態から、復活の兆しが見え始めた鹿島アントラーズ(点19勝5敗7分4差+2)だったが、ここのところ2分け1敗(ガンバ戦)と、シーズンの半ばにして順位を下げている。サポーターの期待は熱く、実力ある選手が揃うアントラーズに必要なのは、本来のアントラーズに立ち返ることだ。
アントラーズと瓜二つのチーム成績(得失点差は除く)を持つ大宮アルディージャ(点19勝5敗7分4差-12)は、新監督のもと、1勝1分けと好調だ。監督交代の効果はもう薄れてはいるだろうが、チームにある一体感はアントラーズを苦しめるに足るものだ。この試合、引き分け!


Jリーグ J1 プリビュ 7月7日 18:30 FC東京 vs. ガンバ大阪 (味の素スタジアム) — レアンドロ加入のガンバ、復活なるか!